人気ブログランキング | 話題のタグを見る

名勝和歌の浦 玉津島保存会

wakanoura.exblog.jp ブログトップ

妹背山多宝塔

妹背山は、徳川頼宜公により整備されました。妹背山の南側は、意識して造られています。人の目を意識して見る側は、南側との意識です。立派な石垣の上に多宝塔が建ち、松が並び、観海閣が見えるようにつくられています。三断橋のライン、多宝塔、唐門、拝殿、瑞門、観海閣のラインは、一直線であり、座標軸から90度振った軸線上に造営されています。頼宜公が、母お万の方と共に整備を行った上皇から庶民まで参画した平和を平和を願う経石埋納事業、その理念を具現化した妹背山の整備は、瑞門から中は聖域、石畳の参道及び観海閣は、和歌の浦干潟を愛でる空間として庶民に開放されたことにより表現されます。観海閣から見る干潟は、最適な位置に造られています。和歌川は、今よりもっと深く大きく、和歌浦口までひろがっていたのです。経石埋納の意義を記した題目碑、それを収めた多宝塔、一石から作りあげた花崗岩の贅を尽くした瑞垣、多宝塔下の三つの緑泥片岩に意匠を凝らし、和歌山城と同一の和泉砂岩の石垣、そして和泉砂岩のもつ美しさを布積みで表現した三断橋、それが総合的に調和した妹背山、江戸時代初期、頼宜公が名勝和歌の浦に造り上げた妹背山多宝塔を巡る一連の施設は、父家康を神と祀る紀州東照宮同様、母お万の方を祀るに相応しい類まれなる紀州徳川家が造り上げた芸術品なのです。

妹背山多宝塔_c0367107_08415022.jpg
妹背山多宝塔_c0367107_08415402.jpg



by tamatusima | 2020-05-14 07:25 | 妹背山
line

名勝和歌の浦の自然・歴史・文化の情報発信


by tamatusima
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー