妹背山
妹背山。和歌の浦干潟に浮かぶ唯一の島、万葉景観を今に残します。徳川頼宜は、父家康を紀州東照宮に、母お万の方を妹背山多宝塔に祀りました。多宝塔の下には、15万個に及ぶ経石が収められていました。上皇から庶民まで、日蓮宗のお題目「南無妙法蓮華経」を永遠なるもの石に墨で書いています。お万の方は、熱烈な日蓮宗の信徒でした。日蓮宗の教えが古来からの景勝地である和歌の浦から世界にひろまるようにと、妹背山多宝塔に経石を収めたのです。300年以上、人々の平和への願いが込められた経石は、多宝塔の下に収められていました。調査のために掘り出された経石は、調査が終了次第、一点残らず、多宝塔の下に再度埋蔵する必要があります。時間がたてば、散逸することは必定です。長きにわたり、お万の方、多くの人々の祈りと共に埋納されていた経石です。一日でも早く、戻す必要を感じます。
by tamatusima
| 2017-06-25 00:01
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